日本語講座 04 「誤用3・重言」2010/03/18 更新

「重言」は「重複表現」とも「重ね言葉」とも呼ばれる。
馬から落ちて落馬した」の類の誤用である。

ここでは母語話者が犯しやすい誤りを集めてみた。
指摘の上、重言にならないように言い直してください。
そんなに難しくはないでしょう。

解説はよりどうぞ

01 本日の議題は、かねてより懸案の○○の件です。
02 田舎から出てくると、都会のさわがしい喧騒がイヤになる。

03

採決の結果、原案支持が過半数を超えて原案がそのまま採択された。
04 「課長、そのスーツ洒落てますねえ。」「うん、おニューを新調したよ。」
05

その案はユニークではあるが、今まで前例がないから慎重な審議が必要だ。

06 この文書、すみやかに大至急処理してくれたまえ。
07 この案は反対者が多いので次回改めて再提出してください。
08 あの店は人気があるから、前もって予約が必要だよ。
09 その件については、ただいまの現状報告をいたします。
10 日中両国間には、いまだに未解決の問題が山積している。

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問題1   本日の議題は、かねてより懸案の○○の件です。

懸案」というのは「前から問題になっていながら、まだ解決されていない事柄」(大辞泉)
という意味である。

「かねて」は「以前から。前から。前もって。かねがね」(大辞泉)の意。

「〜より」というのは、ある時点から、の意であるから、ここでは「〜から」の意味が、
「重言」になっている。

ここで「より」をなくして、「かねて懸案の」としても重言である。
なんと元の文は「三重言」であったといえるのだ。

重言を避けるには単に次のように言えばよい。

「本日の議題は、懸案の○○の件です。」

ただし、いつから懸案であったかを明示したい場合は、
「本日の議題は、三年前から懸案の○○の件です。」ということも許されるであろう。
これでも「から」に「重言風」、つまり重言の臭いがあるというならば、
「本日の議題は、三年間懸案である○○の件です。」と言えばよいであろう。

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問題2   田舎から出てくると、都会のさわがしい喧騒がイヤになる。

単純明快、「騒がしい」「喧騒」が重言である。

「田舎から出てくると、都会のさわがしさがイヤになる。」
田舎から出てくると、都会の喧騒がイヤになる。」

のいずれかで十分である。

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問題3   採決の結果、原案支持が過半数を超えて原案がそのまま採択された。

よく聞く誤用であるが、これも単純明快、「過半数」「超える」が重言である。

また「原案」が二度出てくる。
この長さの文としてはくどいと思われる。
これは「重言」ではなく「重複」と呼ばれる。
重複は避けたいものだ。

「過半数」には元々「半数を過ぎる」つまり「半数を超える」という意味がある。
それに「超える」をつけると「半数を超えるを超える」となり、意味不明になってしまう。
前二問が重言であっても単にくどいだけであったのに対し、これは明らかな「誤り」である。

「採決の結果、原案が過半数の支持を得て、そのまま採択された。」と言い換えよう。

おっとお〜!
「原案が」「そのまま」も重言である。
修正案も出されずに、「そのまま」であったことを強調したいのならば許されるのかも。

「採決の結果、過半数の支持を得て原案が採択された。」

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問題4   「課長、そのスーツ洒落てますねえ。」「うん、おニューを新調したよ。」

よく聞く誤用であるが、これも単純明快、「おニュー」「新調」が重言である。

「課長、そのスーツ洒落てますねえ。」「うん、新調したよ。」で十分。

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問題5   その案はユニークではあるが、今まで前例がないから慎重な審議が必要だ。

これも単純明快、「今まで」「前例」が重言である。
「今まで例がない」=「前例がない」であるから、どちらか一方でよい。

「その案はユニークではあるが、前例がないから慎重な審議が必要だ。」
「その案はユニークではあるが、
今まで例がないから慎重な審議が必要だ。」

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問題6   この文書、すみやかに大至急処理してくれたまえ。

これも単純明快、「すみやかに」「大至急」が重言である。
どちらか一方でよい。

「この文書、大至急処理してくれたまえ。」
「この文書、
すみやかに処理してくれたまえ。」

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問題7   この案は反対者が多いので次回改めて再提出してください。

これも単純明快、「改めて」「再」が重言である。
どちらか一方でよい。

「この案は反対者が多いので次回再提出してください。」
「この案は反対者が多いので次回
改めて提出してください。」

「次回」も重言だとお考えの方もいらっしゃるようだが、
「休憩後」「次回」「一ヵ月後」「半年後」など、再提出する時期が自明ではないので、
これをはっきり言うことは重言ではない。

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問題8   あの店は人気があるから、前もって予約が必要だよ。

思わず言ってしまいそうな表現である。
「予約」を「前もって」することは当然である。
「前もって」「予約」が重言である。
「前もって」は不要であろう。。

「あの店は人気があるから、予約が必要だよ。」

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問題9   その件については、ただいま現状報告をいたします。

「現状」とは「ただいまの状態」の意味である。
「ただいま」「現状」が重言である。

「その件については、現状報告をいたします。

ただし、「ただいまの」ではなく、
「ここ三日間における」「過去一ヶ月の統計に基づいて」など、
「一定の期間」を示す場合には重言とはならない。

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問題10   日中両国間には、いまだに未解決の問題が山積している。

これもついつい言いそうな重言。
「未解決」とは「いまだに解決していない」の意味である。
「いまだに」「未〜」が重言である。

「日中両国間には、未解決問題が山積している。」
「日中両国間には、
いまだに解決されていない問題が山積している。」

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