準結晶

No.15  「正十二面体で空間充填」に反響がありました。
     実は
正二十面体ではこのようなものが見つかっているのだそうです。
     正二十面体の各面の重心を結べば正十二面体になりますから、本質的には
     同じ事だと思います。
     ブラックジャックさんとKOMさんのコメントを紹介します。

名古屋大学工学部講師 ブラックジャックさんのコメント


「正十二面体は空間を充填する」に惹かれてやってきました.
一応専門が電子顕微鏡なので結晶については少しかじっています.

準結晶は1980年代にAl-Mn合金系で初めて発見されましたが,これは正十二面体ではなく,
正二十面体でした.その後,3元合金で8回対称,10回対称の平面構造が見つかっています.
歪みが入りますから合金のように結合の弱い物質や,鉱物のように急冷されて非平衡状態
のまま固体になったものが準結晶になります.

カーボンやシリコンのような結合の強い物質では準結晶は今のところ発見されていません.
ただし,カーボンの正六角形平面結晶であるグラファイトを丸めたカーボンナノチュープ
の場合,先端の閉じているところに正五角形があります.内向きの曲率を持つためには
正五角形が存在する必要があるらしいです(よく分りませんが).竹で編んだ籠にも曲がって
いるところに五角形がありますね.恐るべし,先人の知恵!
逆に正七角形があると,外向きの曲率を持ちます.

http://www.hibino.nuee.nagoya-u.ac.jp/member/hanai.html
Name : ブラックジャック(470) Mail : hanai@nuee.nagoya-u.ac.jp

 

東北大学理学部地球物質科学科4年 KOMさんのコメント(写真付き)


写真は、
http://asma7.iamp.tohoku.ac.jp/EMILIA/html/jp/emgal/quasi/quasi_lt1.html
からコピーしたものです。
     (東北大学 素材工学研究所 のHP 「EMILIA」です。  Crane 註
試料は、Al-Mn合金を急冷してつくったものらしいです。

下の写真に36度ずつに放射線状に広がる斑点があります。
この斑点は、通常、その方向に原子が周期的に配列していることを意味しています。
それが10方向にひろがっているということは?!
それは、5角形の対象を持ったタイルで平面を埋め尽くしているような
構造を持っています。(右上)
(正20面体の5角形の面から見ていることになります。)
結晶学では、教科書のいちばんはじめのほうに
360°/n回転して、構造がまったく同じになるとき、
許されるnはn=1,2,3,4,6のみだ、と書いてあります。
それ以外だと、周期性を持ちながら空間を充填できる構造を持てないのです。
したがって、下の写真は結晶学の根底も覆すようなものになったわけです。

もちろんn=5はありえないわけですが、
このなぞときは
工学部物理工学科石政研究室のHPに詳しく紹介されています。
ある方向から原子配列を見ると、結合距離の長いものと短いものがあって、
それが黄金比をなしている。
etc..とても興味深い物質です。

e-mail: kom@dh.mbn.or.jp(自宅)
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P.S. 東北大学理学部では上のような研究はやってないと思います。
(僕は上のような結晶(準結晶といいます)の専門ではありませんが、
上の写真がショッキングだったので、本で見たのを記憶していました。
若干、記憶違いがありましたが・・・(^_^メ))
準結晶は東北大学工学部の金属研究所や名古屋大学でさかんに行われて
いるようです。

Craneは結晶については素人ですから、質問はブラックジャックさんにどうぞ。

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