自己言及型お遊び 2008/05/14
自己言及命題の真偽は一般に定義できない。
このことを逆手に取って、いろいろなパズルが作られています。
中国の大学の学生に教えてもらったお遊びです。(日本にもあるかも知れない。)
ゲーム(クイズ形式)
「ある動物は、すぐに『なぜ?』『どうして?』と言います。この動物は何でしょう?」
しばらく間をおいてから、
「答えは『ブタ』です。」
これだけです。
是非一度何かの機会に試してください。
解説を見る
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ゲームの解説
中国でも、あまり一般化されていないゲームのようです。
ある学生がこの問題を提示したとき、数人の学生はニヤニヤしていましたから知っていたのでしょう。
しかし、解答を聞いた後、クラスの大部分の学生は不思議そうな顔をしていました。
そこである女学生が思わず大きな声で言いました。
「え? どうして?」
そこで問題を提示した学生が彼女に向かって言ったのです。
「ほお〜、あなたはやっぱりブタでしたか!」
少し間をおいて、クラスは爆笑に包まれました。
「どうして?」と言ってしまった彼女はハッと気が付いて悔しそうに苦笑いをしていました。
ここまで読んで、ピンと来た方はこの先を読む必要はないでしょう。
命題 「ある動物は『どうして?』と言う。」 、 「その動物は『ブタ』です。」
同値変形すると
「『どうして?』という動物は『ブタ』である。」
「え? どうして?」 こう言ってしまった彼女は『ブタ』である、という結論なのです。
まず、この命題が「真」である保証はどこにもありません。
だから彼女が悔しがる必要はまったくないのですが・・・。
試しに別のクラスでやってみたところ、数人の学生が同時に「どうして?」と言いました。
「ほお〜、このクラスにはブタがたくさんいますねえ。」
数秒後に爆笑が起こりましたが、一人の学生はなぜ自分が笑われているのか、最後まで理解できないようでした。
自己撞着型の論理構造は、自己言及と同じ性格を持ちます。
本来「真」であるとは決められない命題をたくみに使った、楽しい言葉遊びですね。
でも、かなり知的水準の高い集団でないと反応がないかも・・・。
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